レビュー：『君の膵臓をたべたい』

あらすじ

高校生の主人公、僕（君野サクラ）は、ある日、病院で拾った『共病文庫』というノートを見つける。そのノートには同級生で人気者の山内桜良（浜辺美波）の「膵臓がんで余命が限られていること」が書かれていた。病院に戻り、山内からそのことを打ち明けられた僕は、同級生と二人きりになり、桜良の残された時間を共に過ごすことになる。そんな中、僕は桜良の意外な一面に触れ、親密な関係になるが…。

感想

本作は、2015年に発売された住野よる氏のベストセラー小説を原作とした青春映画である。本来のタイトルは「君の膵臓をたべたくない」であるが、映画のタイトルはややニュアンスが異なる。主人公が起承転結の全てを語るという形式で進む本作は、非常に心に残る作品だった。

浜辺美波さん演じる山内桜良は、普段は強がっていても、病気のことを考えた時に崩れ落ちてしまうという、自分の矛盾した感情を演じることができていたと思う。一方で君野サクラの内面の葛藤を綴ったノートには、観客が同じくらい共感・感情移入できたのではないだろうか。

映像に関しては、街中でのショットや桜良による、海、夕陽などの描写が美しく、胸がキュンとなる瞬間がある。また、病気になった子どもたちが描かれたアニメーションは、心を揺さぶる演出だった。

まとめ

原作も人気があったことから、映画も多くの人たちに愛された映画作品である。涙もろい方は鑑賞時にティッシュを用意することをおすすめする。

【総合評価】 ★★★★☆