『ジョーカー』レビュー

ストーリー

『ジョーカー』は、バットマンの宿敵である“ジョーカー”の誕生秘話を描いた映画である。主人公のアーサー・フレックは、道化師をしながら、母親と二人暮らしをしており、彼の生活は愛らしいマスクの下で孤独なものだった。だが、彼の人生が一変するきっかけは、不条理な暴力による犯罪に遭遇した時であった。そこから、アーサーは心の闇に落ちていき、彼こそが“ジョーカー”の本当の姿であることが明らかになる。

演技

主演のホアキン・フェニックスは、この映画でアカデミー賞を獲得した演技を見せた。アーサー・フレック/ジョーカーとしての彼の演技は、驚くほどの熱演であり、暴力的で退廃的でありながら、同時に哲学的である。また、ロバート・デ・ニーロやザジー・ビーツなどのキャストも素晴らしい演技を見せている。

映像美

監督のトッド・フィリップスが、映像面での美しさにもこだわっており、暗く深い雰囲気を織りなす美しいシーンが多数存在している。正気と狂気の狭間を描きながら、ストーリーと映像美が織りなす世界観が見事である。

まとめ

『ジョーカー』は、現代社会の問題を抱えた人物の人間ドラマを描きながら、狂気と暴力の中で生きる心理を繊細かつ美しく描いた傑作である。そして、ホアキン・フェニックスの演技とトッド・フィリップスの監督力によって、一見ふさわしくないと思える“ジョーカー”の誕生秘話を、見事に描き出している。是非とも、映画館で体感してみてほしい。