あらすじ
本作は、ゴッサムシティの社会底辺に住むアーサー・フレックスが、社会に蔓延る不平等や暴力に苦しむなかで、怪しげな前途を歩み始める様を描いた作品だ。
キャスト
・ジョアキン・フェニックス:アーサー・フレックス/ジョーカー
・ロバート・デ・ニーロ:マレー・フランクリン
・ゾア・クラヴィッツ:ソフィー・ドゥミア
・フランセス・コンロイ:ペニー・フレックス
感想
本作は、バットマンシリーズの悪役ジョーカーの誕生秘話を描いた珍しい作品だ。前評判が高く、興行収入も続々と大きな数字を叩き出しているが、果たしてその出来栄えはどうなのか。
まず、主演のジョアキン・フェニックスの演技が素晴らしい。アーサーが社会との摩擦や自身の病気と闘いながら、段階的にジョーカーへと変貌する様を見事に演じきっている。特に、ラストシーンでのジョーカーの撃ち殺し決行前の妄想シーンは、フェニックスの圧巻の演技が光った。
また、映像的な面も非常に緻密である。衣装、美術、音楽など映画のさまざまな要素がうまく融合して、1960年代から80年代にかけてのニューヨークやゴッサムの暗く薄暗い雰囲気が本当に素晴らしい出来栄えであった。
一方で、作品全体からは暴力的な要素が多く、問題点も指摘される映画である。また、本作がジョーカーの誕生秘話を描いているため、バットマンシリーズに慣れ親しんだファンは違和感を感じるかもしれない。
結論
総じて、本作は演技や映像のクオリティが高く、全てを引き受け切った役者たちに敬意を表せる。また、ジョーカーの人間的な面を浮き彫りにする描写も新鮮であり、役者の演技を堪能することができた。しかし、作品の暴力的な傾向や、ジョーカーが悪役として成立しているバットマンシリーズファンにはハードルが高いかもしれない。
評価:★★★★☆
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