ストーリー
第二次世界大戦下のドイツ・ベルリンを舞台に、10歳の少年ジョジョがナチス党員である母親の影響を受け、自身もナチスに憧れるようになる。しかし、ある日ジョジョは家の中の秘密部屋に隠れていた、母親がユダヤ人の少女エルサを匿っていることを知る。ジョジョは当初エルサを敵とみなすが、次第に彼女と交流を深めていき、戦争や差別と向き合う成長を遂げていく。
演出・演技
本作は、監督・脚本・出演を兼ねたタイカ・ワイティティが手掛けている。そのため、映画の表現手法や演出、キャラクターたちのセリフ回しなど、ユニークかつ独特なエッセンスが感じられる。特に、ジョジョ役のローマン・グリフィン・ディヴァインやエルサ役のトーマシン・マッケンジーの演技は、非常に印象的であり、物語の世界観をより深く理解させる役割を果たしている。
テーマ・メッセージ
本作が描くのは、戦争や差別、ヘイトスピーチなど、現代にも通ずる問題を、コミカルかつシニカルに描き出すことにある。ジョジョとエルサの関係を通じて、憎しみや偏見に囚われず、人を理解することの大切さを考えさせられる。また、ナチス党員やその支持者として描かれるキャラクターたちは、表面だけではなく内面も複雑に描かれており、憎むべき敵役ではなく、人間的な側面も見せることで、戦争の悲惨さをより深く感じさせる作品となっている。
以上のように、「ジョジョ・ラビット」は、ユーモアのセンスや風刺的な描写など、コメディながら深いメッセージを持つ作品である。見ている人の心を揺さぶり、考えさせることに力点を置いた映画である。
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