映画『まる子』のレビュー

ストーリー

『まる子』は、長崎県で暮らす小学校6年生のまる子が主人公の物語。まる子は、父親が母子家庭のため家計が苦しい中、学校や野球チームで頑張りながら成長していく。

ある日、まる子は祖父から古いスーツケースを貰う。その中には、戦争中に亡くなった父親が遺した手紙や、まる子が知らなかった家族の写真が入っていた。まる子は、家族の過去を知ることで、今の自分や家族について考えるようになる。

本作の演出は、独特な雰囲気を醸し出している。映像の中で長崎の街並みや自然、味わい深い食べ物が紹介されるシーンがあり、観客も物語と共に長崎に思いを馳せることができる。

まる子役の新田真剣佑をはじめ、田中麗奈演じるまる子の母や小栗旬演じるまる子の野球チームの監督など、実力派俳優たちが脇を固めている。

特に、新人俳優の新田真剣佑の演技は注目に値する。幼いまる子から青春期の少女までを扱い、時にはユーモラスに、時には泣ける演技でまる子を鮮やかに演じきっている。

本作は、まる子を中心に描かれる家族や友情、そして長崎の美味しい食べ物など、日本の文化や風景が詰まった作品だ。登場する架空の人物たちとともに、実際に存在した長崎での出来事にも触れ、観客を長崎の魅力に引き込んでいる。

また、まる子の過去と現在を通して、観客に家族や友情、そして「大切なものを見失わないこと」の大切さを教えてくれる。感傷的なエピソードが多いが、それらは人生の中で大事な出来事であることを再認識させてくれる。