ストーリー
本作は、「バットマン」シリーズに登場する悪役「ジョーカー」の誕生物語である。舞台は1980年代のゴッサムシティ。主人公のアーサー・フレックスは、道化師としてサインボーディング会社で働きながら、病気の母親の世話をしている。そのアーサーは、周囲から次第にいじめられ、差別され、次第に自分の心に秘めた闇を抑えられなくなっていく。
演技
主演のホアキン・フェニックスは、アカデミー賞を受賞した演技を見せた。アーサーの孤独や病的な思考回路、そして次第に暴走する精神を緻密かつ圧倒的な演技力で表現している。
映像
監督のトッド・フィリップスは、アンバランスな映像表現を用いることで、アーサーと彼が生きる荒んだ世界観を(代表作の一つ『ハングオーバー』とは異なる)独自の視点で表現。カメラアングルなど細部に至るまで、作品世界に没入するための本物志向が嬉しい。
音楽
音楽には、ヒップホップアーティストのHildur Guðnadóttirが担当。ストリングスやシンセサイザーを用いた、どこか独特な音楽であり、映画の緊張感や荒み、そしてアーサーという主人公の孤独感など、繊細かつ重厚な音楽表現を支えている。
全体として、『ジョーカー』は、アーサーの陥穽から「ジョーカー」という人物が現れるまでの流れを描いた、暴力的で暗く、そして深い人間の心の闇を描いた映画である。必見と言える1本である。
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