映画「ジョーカー」レビュー

ストーリー

物語の舞台は、ゴッサム・シティ。そこは暴力や犯罪が跋扈し、市民は不安に満ちた生活を送っていた。

主人公アーサー・フレックスは、職業もなく精神的にも不安定な男性。彼は殺人犯として逮捕された父親と違い、正義感を持ちながらも社会で生きていくことができずにいた。

しかし、彼が若き女性ソフィーと出会ったことをきっかけに、彼の人生が大きく変わっていく。

演技

主役のジョアキン・フェニックスは、アーサー・フレックスを熱演している。彼の表情や動きが、アーサーの心情や思考を明確に表現している。

また、脇役たちも素晴らしい演技を見せている。ロバート・デ・ニーロ演じるトークショーの司会者マレイ・フランクリンの存在感や、フランシス・コンロイ演じるトーマス・ウェインがゴッサム市長になるための選挙運動をしている様子など、細かい演技が光っている。

映像美

本作は、クリストファー・ノーラン監督作品「ダークナイトトリロジー」に近い雰囲気を持っている。

暗く陰鬱な雰囲気に包まれたゴッサム・シティの風景や、ジョーカーがライフル銃で暴れるシーンなど、映像の美しさと反対に衝撃的な描写が胸に迫る。

総評

本作は、ジョーカーの誕生物語となっている。監督のトッド・フィリップスが、クライム・サスペンスではなく、キャラクタードラマに重点を置いた作品である。

物語は「暗い」という形容詞がしっくり来るほどの毒気を持っているが、主人公の変貌を見守る心地よさもある。

ラストには、ジョーカーが発する言葉が、観る者の心に着実に残る。是非、映画館で体感して欲しい。


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