ストーリー
主人公のアーサーは、生まれつき精神障害を持っている。彼はコメディアンを夢見ているが、社会からの差別や追い詰められた状況により、次第に自暴自棄に陥っていく。やがて、自分が認められない社会に対し、一方的に報復を行うようになり、ジョーカーとして正体を現す。
演技
主演のホアキン・フェニックスは、アーサーの心理的変化を見事に表現している。特に、猛烈な咳をするシーンなどでの表情や動きが印象的だった。また、脇役のロバート・デ・ニーロやジョアキム・ロンニングも、役柄に合わせた演技を見せていた。
映像美
暗く重苦しい雰囲気を漂わせる映像が印象的だった。アーサーが一人で大通りを歩くシーンや、劇中で流れるラジオの音声が響く場面など、独特な空気感を出す演出が光る。
音楽
楽曲は、脇を固めるように物語を進める。主人公のアーサーが自分の中で変容していく様子を、緻密に描き出していた。音楽と映像が一体化し、劇的なシーンを時間を超えて伝える力があった。
総評
社会問題をテーマにした重い内容の映画であるため、観る人を選ぶかもしれない。しかし、ホアキン・フェニックスの演技や映像美、音楽など、映画全体を通して随所に感じられる「表現へのこだわり」は圧倒的だった。見終わった後に、しばらくその世界観に引き込まれることがあると思う。推奨度:★★★★☆
この映画は、社会に弾圧される人々が自暴自棄になり、犯罪に手を染める原因を描いた重い内容ですが、俳優たちの演技や演出の丁寧さなど、素晴らしい点がたくさんあり、見ごたえのある映画となっています。
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