あらすじ
田舎のカトリック高校に通うクリスティン(レディ・バード)は、アイルランド系の家族と喧嘩ばかりしていた。彼女はサンフランシスコでコミュニティカレッジに入学する夢を抱いていたが、家族の経済的な理由から許されなかった。自立して大学に行くため、彼女は学校の演劇部や新聞部と参加することで逃避行を続ける。
評価
本作は、主人公のレディ・バードが自らの人生を模索する姿を描いた青春映画である。その中でも、彼女が学校の演劇部や新聞部に参加することで、自分を見つけようとする姿勢には心打たれるものがあった。
また、本作には、レディ・バードと彼女の母親との複雑な関係が深く描かれている。母親は、家計を支えるために職場での不満と家族の問題に悩まされており、レディ・バードに対して、自身の経験を伝えることで懸念を共有する一方、熱心な愛の表現をしたり、反発したりすることもある。これは丁寧に描かれており、両者の言動や喋り方から、その葛藤が伝わってくる。
もう一つ注目すべきは、サンフランシスコの美しい街並みと、音楽や映像を取り入れた演出である。本作が描く映像と音楽は、まるでレディ・バード自身の内面とリンクしているようだ。
総評として、本作が描き出す成長と自立までの過程は、一般的な青春映画以上に丁寧に描かれている。演技、脚本、映像、音楽全てが相まって、青春映画として素晴らしい作品になっている。
評価:5/5
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