あらすじ
中学生の主人公が、偶然「優しいパンクロッカー」と出会い、彼女が書いた「共病文庫」の一冊である「君の膵臓をたべたい」という日記を読むことから物語は始まる。そこには自分が余命が僅かであることが書いてあった。主人公は、その後も彼女と交流を深めていく。
感想
本作は、肝心なところ(彼女が余命が僅かであること)が最初から分かっている上に、感情移入しやすい設定や演出が全体的に強めになされていることもあり、観る前から感傷的な作品だと想像していた。しかし、実際に観てみると、物語内の登場人物たちは全員、切実な思いを抱え、それの表現方法でも個性的で心に残る。特に、主人公が彼女から貰った「共病文庫」を読むシーンは、映像化する上で非常に重要な場面であり、「今日はあの子に会いにいく」という文言に涙腺に突き刺さった。
また、映像と音楽も非常にマッチしており、物語の雰囲気をより一層盛り上げている。音楽は、劇中のシーンと見事にシンクロしており、感情を煽ったり、感情移入を助けたりしている。
ただ、個人的にはラストシーンが謎だった。物語のテーマの一つである「人と人との繋がり」を表現するために、意図的に仕掛けられた仕掛けであることはわかっているが、どうも納得出来ない感じが残ってしまった。
まとめ
「君の膵臓をたべたい」は、感動的なラブストーリーであるだけでなく、友情、家族愛、人生、命、死など、人間が抱える多様な思いを描いている。感傷的な作品であることは否めないが、それだけに心に残る瞬間も多くあり、非常に素晴らしい作品であると感じた。
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