映画レビュー:ジョーカー

ストーリー

「ジョーカー」は、コミックブックに登場するDCコミックスのヴィラン「ジョーカー」を題材とした映画である。物語は、若き日のアーサー・フレックス(演:ホアキン・フェニックス)が、インディゴ色がかった毒性のある笑いを持つ、落ちこぼれの喜劇俳優として生きる一方、差別や不正義、孤独感に苛まれる日々を過ごしている様子から始まる。

やがて、彼は様々な出来事や状況に直面する中で、内に秘めた怒りや憎しみ、そして狂気を開花させていく。最終的に、アーサーは“ジョーカー”として新たな姿を見せることになる……。

演技

この映画の最大の見どころは、主人公アーサー・フレックスを演じたホアキン・フェニックスの圧倒的な演技力だろう。彼は、いかにも狂気じみた表情、奇妙な体の動き、声の変化などを巧みに演じ、観客を圧倒する演技を見せた。

また、脇を固める俳優陣も充実しており、ロバート・デ・ニーロやジョアキム・クラウズが印象的な役どころを演じている。

映像美

映像美も素晴らしく、若き日のゴッサムシティを舞台に描かれる町の風景や、アーサーが放つ不気味な笑いなど、暗くグロテスクな世界観が見事に表現されている。

また、映像的な演出も見事であり、ストーリーが進展するとともにカメラのアングルや、色使いなどが見事に調和していく。

ストーリーの深さ

本作は、シリアスなテーマが多く含まれている。特に、社会的な不正義、精神疾患やメンタルヘルス、差別などは深く描かれており、見る側にとって考えるきっかけを与えてくれる内容となっている。

一方で、物語の終盤に向けて、オチ(展開)もあるため、それまでの深いストーリーに落ち着いた印象を与える反面、複雑な思いを抱かせることにもなる。

結論

「ジョーカー」は、ヴィランを主人公に据えた異色の超大作映画であり、登場人物たちの緻密に描かれた心理描写や、出来事と結末のトリッキーなつながりなど、見る側の期待に応える映画となっている。

しかしながら、その深刻なテーマと暴力的な描写から、稀に観る映画となってしまったため、心理的に不安を抱えた弱い心を持つ人には、観るのを慎むように勧めたい。


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