「君の膵臓をたべたい」レビュー

あらすじ

主人公の高校生・亜弥と共に授業中に膵臓がんが見つかった同級生のさくら。その事実を亜弥に告げたことから二人の関係が始まり、亜弥がさくらと過ごす時間が増えていく。しかし、さくらは余命がわずかであり、亜弥はいつかさくらが亡くなることを受け入れることができるのか。

本作は、原作小説が大ヒットし、映画化もされた話題作である。物語は、人生の限りある時間をどう生きるかというテーマをティーンエイジャーの目線で描いたものであり、感情移入しやすい。北村匠海と浜辺美波の演技も素晴らしく、彼らが演じる二人の青春模様に心を揺さぶられた。

また、本作は音楽も印象的で、物語の世界観を一層深める力がある。特に、主題歌の「灰色と青」は、映画の重要なシーンで流れる効果音として用いられ、心に残るシーンを印象付けた。

しかし、本作はどこか物足りなさも感じられた。物語のテーマやキャストの演技、音楽は素晴らしいのだが、ストーリーにおいてはあまりにも予想通りの展開が多かったため、もう少し深みを感じさせてほしかった。

★★★☆☆

「君の膵臓をたべたい」は感情移入しやすく、素晴らしい音楽と演技がある青春映画である。しかしながら、ストーリーの深みに欠けるため、物足りなさも感じられる。全体的には、観て損はしない作品であると言える。