映画『君の膵臓をたべたい』レビュー

あらすじ

主人公である少年・春野サクラ（北村匠海）は、ある日クラスメートの山内桜良（浜辺美波）に、自分がクラスのマイナスイメージを持っていることを暴かれる。彼女は自分が膵臓がんであることを告白し、「秘密で共有する関係」を提案する。最初はサクラも拒んでいたが、次第に桜良の余命に向き合い、触れ合い、共感することで、サクラの心に何かが芽生え始める…。

感想

本作は、2015年に発表された住野よるの小説が原作であり、映像化もされている。全体的には、原作に忠実に再現しているように感じられたが、特に桜良が死を前に感じた感情と、サクラとの交流が丁寧に描かれていると思う。また、撮影技法も綺麗で、キャストも演技力が高く、観ていて心地よさを感じた。

しかし、個人的には、少しだけ作品としての厳しさが足りないと感じた。あえて批判するとすれば、共感しやすい展開が多く、ほとんどのシーンで泣かせるというわけではないため、物足りなく感じる人もいるのではないかと思う。ただ、その分普遍的なメッセージを持っているので、多くの人に愛される作品に仕上がったと思う。

評価

全体的には、素晴らしい物語であり、演出、演技、音楽、美術、スタッフの力も大きいため、総合的には非常に高く評価できる。ただ、作品としての走りや厳しさが少し足りないと感じたので、ここでは4.5/5という評価にしたいと思う。