『ジョーカー』が描く社会と人間の闇の深さに圧倒される

ストーリー

主人公のアーサー・フレック(演:ホアキン・フェニックス)は、街中で街宣車での呼びかけアーティストをしながら、トンチンカンな笑い声を出す習慣がある男性。
そんな彼は、何度も社会に蹴りつけられたことで、遂に彼自身も悪への道に進んでいくことに。
やがて、彼は“ジョーカー”として知られる。そして、それは純粋な悪意からではなく、社会に踏みにじられ、殺されてしまった人々が持っていた怒りをその身に纏い、復讐するためだった。
果たして、ジョーカーはどこまで社会に復讐を果たしていくのか?そして、そこにはどのような真実が隠されているのか?

評価

本作は、「バットマン」シリーズの原点とも言える悪役、ジョーカーの裏話を描いた作品。しかしながら、基本的にはジョーカーに同情を持たせてレジェンダリー大悪役として描かれている。
作品全体を通して、ジョーカーが社会から受けた迫害が逆にその人物像を形成していく過程が克明に描かれており、そのプロセスによって彼に感情移入しなくてはならない。
また、ホアキン・フェニックスが演じた主人公のアーサー・フレックは、役者たちの中でも群を抜いた芝居を見せた。フェニックスの省エネで垣間見える彼の奮起と共動が、彼の信じられないようなキャラクターを本当にリアルにしている。
作品のビジュアルエフェクトが制約されているものの、主人公と彼の周辺を囲む世界が、リアリティあるデザインとともに非常に興味深いものに仕上がっている。
ただし、暴力描写や物語内容のグロテスクさが目に余り、苦手な人には不向きと言えるかもしれない。

結論

社会に抗えず、あらゆる束縛が彼を苦しめていたアーサー・フレックが、いかにジョーカーへと変貌するに至ったのかが丁寧に描かれ、深い感情移入が必要と感じられる。
また、ハードな内容を含む作品だが、その凄まじい迫力は見逃せない。
世界観や演技力だけでなく、物語が持つテーマも余すことなく描かれており、今後の映画製作者たちにも大きな影響を与えること請け合いだと思われる。
映画好きならぜひとも観てほしい作品と言える。


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