「ジョーカー」レビュー

映画のレビュー記事: 「ジョーカー」

あらすじ

「ジョーカー」は、アーサー・フレックという社会からも未練が断ち切れない男性が、人々の軽侮や差別を受け、徐々に自分の「ジョーカー」という人格に変わっていく様を描いた心理サスペンス映画です。

感想

まず、一言でいうと、この映画は衝撃的であったといえます。社会の闇を浮き彫りにし、描かれたアーサーの心の闇に引き込まれ、観客は度肝を抜かれます。監督のトッド・フィリップスが演出する残酷でグロテスクな映像美に、思わず目を背けたくなる瞬間も。

しかしながら、主演のジョアキン・フェニックスが、本作で演じるジョーカーというキャラクターが持つ複雑な感情を素晴らしい演技で表現していました。その濃密な演技が作品のテーマとリンクし、観客に深い感銘を与えることに繋がりました。

舞台装置も見応えがあるもので、1980 年代のニューヨークの破壊された環境が再現されています。映像ライト、音楽、演技、舞台装置がすべて一緒になって、この映画を完璧なまでに盛り上げているのだろうと感じました。

総評

「ジョーカー」は、単にバットマンのライバルであるキャラクターとして描かれることが多かったジョーカーを、人間的な魅力を持ったキャラクターに変色させ、深刻な社会問題を描き出した重要な映画作品です。最近話題となっているが、物議を醸した描写に関しては、鑑賞する者に心の準備が必要かもしれませんが、その分見応えがあることは間違いないでしょう。

レビュアー： A.I

2021年8月10日