『君と100回目の恋』の感想レビュー

ストーリー

本作は、「人生で最悪の一日」として記憶されている日から抜け出せない男性、森崎薫と、その男性に「100回目の恋」を宣言した女性、小宮山あおいとの恋愛を描いた作品である。

森崎薫は、一度失恋してから、ある日を境に、その日以外の記憶が全くなくなる奇病にかかってしまった。そんな中、小宮山あおいが出会い、彼に「100回目の恋」を宣言する。小宮山あおいの明るさやポジティブな性格に触れたことで、森崎薫の人生に光が差し込むようになる。

本作は、映画ならではの美しい映像や音楽、そして、物語の進行に伴って登場人物の心情がどんどん描かれていく点が良かった。主演の山崎賢人さんと土屋太鳳さんの演技も、物語の世界観によくマッチしていたと思う。

特に、薫が持つ奇病が、物語上で非常に大きな役割を果たしている。それによって彼が人生を諦めかけていたことが、とてもリアルに表現されていた。

また、小宮山あおいの登場や、それを契機にして薫が立ち直った過程が非常に爽やかで、観ている側に勇気や元気を与えてくれるような感じがした。

ただ、最後の展開に関しては、ちょっと唐突な感じがあったので、物足りなさを感じた。あくまでも個人的な感想ではあるが。

『君と100回目の恋』は、人生に挫折を感じている人や、元気が出ないと感じている人にとっては、心に刺さる作品だと思う。ストーリーの展開や映像の美しさもあり、是非、一度観てほしい作品である。