『君と100回目の恋』のレビュー

あらすじ

主人公の山口は、たった一度の恋愛経験がトラウマとなってしまい、女性と付き合うことを避けてきた。しかし、偶然再会した小学校時代の同級生・真帆との出会いがきっかけとなり、彼女との100回目のデートを目指して奮闘する物語。

評価

本作は、恋愛映画にありがちなキャッチーなストーリーや華麗な演出を一切排し、シンプルながらも奥深いストーリー展開が魅力的な作品である。

主演の山田孝之さんは、彼の持つ独特な演技スタイルを生かし、淡々と感情を表現することで、主人公・山口の心の変化を見事に表現している。また、小雪さん演じる真帆も、明るく優しい性格が、物語に明るく希望を与えてくれる存在となっている。

映像面では、やわらかな光の使い方や春夏秋冬の季節感が美しく描写されており、音楽も物語性を高める効果的な表現となっている。

本作は、淡々と進むストーリーに、登場人物たちの細かい心の揺れや静かな感情表現が緻密に描かれており、誰もが共感できる「恋愛の失敗」や「再び愛を見つける喜び」を感じさせてくれる、感動的な映画である。