映画『君の膵臓をたべたい』の感想

ストーリー

主人公の高校生・僕(北村匠海)は、1人で本を読むことが好きな地味で内向的な少年。ある日、彼女のいないクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)から、「貴方が隠しているのは筋肉じゃなくて、膵臓の病気だと知ってる」と告白される。桜良は、自分も同じ病気を抱えていることを明かし、老婆に言われた「尊い時間を共有する」ことを実践しようと僕を誘う。いずれ死ぬ運命である自分たちが、しっかりと今を生きることを選んだ彼らの物語。

演出

監督の新海誠氏が、この作品で初めて手がけるラブストーリーである。そのためか、従来の新海氏の映画作品と比べ、よりリアリティを求めた少年少女の恋愛模様が描かれている。また、心に秘めた想いを映像化し、描写力には定評がある新海氏らしい美しい映像美が存分に楽しめる。音楽も、野田洋次郎氏による作曲・歌唱で、彼の音楽がバックグラウンドに流れるシーンは、よりストーリーを引き立たせている。

感想

本作は、病気を抱えた2人の若者が、積極的に「今を生きること」を選んだことが、明るい解決への導きとなっている。そのため、病気に対する深い考察や、医療に対する指摘はあまり行われていない。むしろ、「今を大切に生きることのすばらしさ」が、病気という限られた時間をより輝かせるのだというメッセージ性が強調されている。新海監督の世界観と、野田氏の音楽が見事にマッチングし、心に残る作品となった。ただし、繊細すぎる描写が多いため、日常にリアリティを求める人には合わないかもしれない。

全体的な評価:★★★★☆

※編集者注:この映画は、2018年に日本で公開された。原作は、住野よる氏による小説である。


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