あらすじ
山内桜良という女子高生が、病気の少年との運命的な出会いをきっかけに、人生に変化が訪れていく物語。桜良は、病院で偶然、同じ診察室に入り会った少年・山内敦士と出会う。彼が持っていた「診断書」に自分の名前が名前が書かれていることを知った桜良は、敦士から、終末期の病気「膵臓(すいぞう)」が発覚し、余命僅かと告げられる。
感想
ストーリーは、原作小説とほぼ同じで、鮮やかな彩度と、劇的な映像表現が見事な映画となっている。
映画を通じて、桜良と敦士という二人の主人公が有り得ることを、誰もが願ってしまう。病弱である敦士は、幽かに桜良の憧れの対象になるが、最初からこの愛が分かっている観客にとっては、彼の言葉や態度が重なり、共感を覚えながら、物語を追いかけた。
特筆すべきは、主人公たちが抱える悲しみを、音楽、画面、演技によってダイレクトに伝えてくれる点だ。小説にはない、映画ならではの演出や表現が光っている。
最後に、喪失や別れの哀しみに満ちた物語が進んでいく中で、より深く描かれる二人の出会い、別れ。敦士の膵臓を食べたこと、そしてその意味は、映画の重要なポイントといえるだろう。
評価
本作は、観客の感情を豊かに揺さぶる映画として高い評価を受けている。原作小説を読んでいた人も、初めて観る人も、誰にも見逃して欲しくない作品である。
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