あらすじ
主人公の青年・春日良(神木隆之介さん)は、ひょんなことからクラスメイトである山内桜良(浜辺美波さん)が、余命が短いことを知る。桜良は自分で「パンクは死なない」と書かれた日記を立ち読みした良に、自分の“秘密”を知らせ、黙って共犯者になって欲しいと伝える。良は、「何かを共有するということは悪くない」という考えから、桜良と共に過ごし始める。だが、桜良が予期せぬことを言い出し、良が選択を迫られる。
感想
まず、映画の最初に現れる、春日良の台詞「嘘はつかずに虚言をつく。」が本作の骨格を物語る言葉だと感じた。春日良が打ち明けられていく桜良の秘密は、最初は少し距離を置く良と桜良の関係を縮めていく要素であり、物語を盛り上げる要素となった。
また、僕自身、若いころに病気を患ったことがあるため、同じように辛い思いをしている子がいることを知っている以上に、強い感情移入を覚えた。映画では「死んじゃってもいいから、生きたい」という強い思いと、「死んじゃうんだろうから、もうすこしだけ生きたい」という本能が入り混じった、青春らしい台詞があった。それが、映画全体に通じるキャッチコピー「生かさなきゃ、消えちゃうよ。」にも表れている。
最後に、神木隆之介さんの、私生活であまり見せないような逆説的な演技力に感動した。何を隠そう、彼は翔んで埼玉では爆笑し過ぎて、泪が止まらなかった。しかし、本作では地に足がついた、しっとりとした演技を見せてくれたのは、彼の幅広さを示している。
評価
どんなに厳しいことを言っても、この作品は抱きしめられる映画だ。見る人によっては、娯楽以上の価値が見出せる映画だろう。
あなたへのおすすめポイント
・映画『君の膵臓を食べたい』は、思い出を抱きしめることの大切さ、存在への感謝、死と向き合う大切さ、命の尊さが描かれている映画。
・それは生と死と向き合う人間たちの強さ、優しさ、そして切なさを、優しく、重厚な映像で包み込んでいる。
・また、神木隆之介さんの逆説的な演技が見られる。
・青春もの、ラブストーリー、人間ドラマが好きな人におすすめ。
以上が、本作『君の膵臓を食べたい』の感想や評価です。ぜひ、観た方もまだ観ていない方も、この作品を見て、涙し、感動する体験をしてみてください。
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